マニフェスト(産業廃棄物管理票)とは?紙・電子の違いと運用のコツをやさしく解説
「委託した産廃、ちゃんと最後まで処理されてる?」
その不安を“見える化”するのが、マニフェスト(産業廃棄物管理票)制度です。
排出事業者が、委託した産業廃棄物の流れ(運搬→処分→最終処分)を把握・確認し、不法投棄などのリスクを下げるための仕組みとして位置づけられています。
この記事でわかること
- マニフェスト制度の目的(なぜ必要?)
- 紙マニフェストの流れ(7枚つづりの意味)
- 電子マニフェスト(JWNET)の流れ(いわゆる“3日ルール”)
- 電子マニフェストが義務になるケース(ここ、誤解が多いです)
- 未返送・未報告のときの実務対応(放置NG)
マニフェスト制度は何のため?(目的)
一言でいうと、「委託した廃棄物が、委託内容どおり適正に処理されたかを確認するため」です。
排出事業者が“排出から最終処分まで”の流れを把握・管理することで、不法投棄の防止や、排出事業者責任を果たすための制度として説明されています。
マニフェストを交付(登録)するのは誰?いつ?
原則として、交付(電子の場合は登録)する義務があるのは排出事業者です。
排出事業者が処理を委託する際に、紙なら管理票を交付し、電子なら情報を登録して運用します。
建設工事などでは「誰が排出事業者か」が混乱しがちです。
例として、下請が運搬する場面でも、法令上の排出事業者が元請になる整理があり得ることが示されています。
紙と電子の違いを1分で理解(比較表)
電子マニフェストは、情報処理センターを介してネットワーク上でやり取りする仕組みとして整理されています。
紙マニフェストの使い方(流れ・保存・年次報告)
1) 紙マニフェストは「基本形として7枚つづり」
紙マニフェストは、基本形として 7枚複写(A票、B1票、B2票、C1票、C2票、D票、E票) が広く使われています。
※委託形態によっては、7枚以外の様式が使われるケースもあるため、「紙=必ず7枚」と断定しないほうが安全です。
図で理解(直行用7枚複写の例)
2) 紙マニフェストの基本フロー(超ざっくり)
- 排出事業者が、廃棄物の引渡し時に交付
- 運搬→処分が進む
- 運搬・処分の終了後、写しが排出事業者へ(所定期限内に)返送される
- 排出事業者が写しで完了確認
また、東京都の案内では、運搬または処分を終了した日から10日以内に写しが送付される旨が説明されています(※運用の理解に役立つポイント)。
3) 保存義務:5年間(紙)
環境省通知では、管理票の写し等を5年間保存する趣旨が示されています(起算点は立場・票で異なるため、社内ルール化では要確認)。
4) 年次報告:交付等状況報告書(紙)
紙マニフェストを交付した者は、毎年6月30日までに報告書を提出する必要がある旨が自治体案内で示されています。
電子マニフェスト(JWNET)の使い方(3日ルール)
電子マニフェストとは(加入が前提)
電子マニフェストは、マニフェスト情報を電子化し、排出・運搬・処分の3者が情報処理センターを介してやり取りする仕組みです。
電子マニフェストが「義務」になるのはどんなとき?
電子マニフェストは誰でも使えますが、一定条件では“電子の使用が義務”になります。
環境省Q&Aでは、義務対象が次のように整理されています。
前々年度に「特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物を除く)」の発生量が50トン以上の事業場を設置している排出事業者が、その事業場から出る当該特別管理産業廃棄物の処理を委託する場合 → 電子マニフェストの使用が義務
重要なのは、「事業者全体で紙が使えない」ではない点です。
同じ事業場でも、普通の産業廃棄物やPCB廃棄物まで一律に紙不可という意味ではないことが明記されています。
未返送・未報告のときにやること(措置内容等報告書)
「返送が来ない」より「期限内に完了確認できない」が問題
排出事業者は、運搬・処分・最終処分の終了報告を定められた期限内に確認することが前提になります。
東京都の案内では、期限超過等が起きた場合に、状況確認・必要措置のうえで措置内容等報告書を提出する整理が示されています。
また同ページには、たとえば未返送等のケースでは、「定められた期間が経過した日から30日以内」といった提出期限の整理が表で示されています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 「紙マニフェスト=7枚つづり」で確定?
基本形は7枚複写(A,B1,B2,C1,C2,D,E)で説明されることが多いです。
ただし委託形態により7枚以外の様式もあり得るので、必ず自社の委託形態・運用に合わせて確認するのが安全です。
Q2. 電子マニフェストの3日以内って、土日祝も含む?
2019年4月以降、土日祝と年末年始(12/29〜1/3)は算入しないとされています。
Q3. 電子マニフェストが義務になると「紙は一切NG」?
いいえ。義務対象は、「前々年度50トン以上の事業場」×「当該特別管理産廃(PCB除く)」の委託に限定される整理です。
最後に(まとめ)
マニフェスト制度は、産業廃棄物の処理を外部委託した場合でも、排出事業者が「最後まで適正に処理されたか」を把握・確認するための仕組みです。
紙・電子どちらを選んでも、ゴールは同じで「不適正処理を起こさせない管理」を実現することにあります。
まずは自社の委託フロー(直行/積替保管/中間処理あり)を整理し、確認期限を“見える化”して運用するのが最大のポイントです
電子マニフェストは事務負担の軽減に役立ちますが、義務化の対象は“前々年度50t以上の事業場”ד特別管理産廃(PCB除く)”の委託など、条件付きです。
社内で「紙が全面禁止」と誤解したまま進めないよう、義務対象範囲は必ず一度確認しておくと安心です
また、運搬・処分の完了確認が所定期限内にできない場合は放置せず、状況把握と必要措置、報告が求められる整理が自治体ページでも示されています。
運用ルールは「担当者」「期限管理」「証跡保管(電子でも社内管理)」までセットで作っておくと、監査や引継ぎにも強くなります。
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