リチウムイオン電池の処分方法【正しい捨て方と注意点】

リチウムイオン電池の処分方法

「使わなくなったモバイルバッテリーや電動工具のバッテリーが事業所にたまっている。混ぜて捨ててはいけないと聞いたが、法人としてはどう処分すればいいのか」

オフィス・店舗・物流倉庫・製造業の担当者から、こうしたご相談が増えています。

リチウムイオン電池は、誤った出し方をすると火災につながるおそれがある廃棄物です。

本記事では、法人がリチウムイオン電池を処分するときの考え方を、いま起きている問題・廃棄物としての区分・やってはいけない出し方・実務ステップの順に解説します。

処理施設や収集車両で火災が多発——リチウムイオン電池の廃棄で今起きていること

いま、ごみ処理施設や収集車両などで、リチウムイオン電池が原因とみられる火災・発煙事故が全国的に多発しています。

環境省の資料によれば、2022年度にはごみ処理施設等へのリチウムイオン電池等の混入事案が13,111件、発煙・発火事案が6,423件確認されています(出典:[環境省 リチウムイオン電池関係ページ](https://www.env.go.jp/recycle/waste/lithium_1/index.html)/[環境省 取組資料(PDF・2025年10月)](https://lithium.env.go.jp/recycle/waste/lithium_1/pdf/02-5_kaigi_file.pdf))。

こうした状況を受けて制度面の対応も進んでいます。

改正資源有効利用促進法(2025年6月成立)により、2026年4月から、モバイルバッテリー・スマートフォン・加熱式たばこ等が回収・リサイクル義務の対象となる「指定製品」に追加されました(出典:上記環境省資料/[日経報道](https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA128QY0S5A810C2000000/))。

これは主に製品の回収・リサイクルの仕組みを整えるための制度であり、対象製品の範囲やどの事業者にどのような義務が課されるかの詳細は、経済産業省・環境省の一次情報や所管窓口でご確認ください。

また環境省は、廃棄物処理法の政省令改正により「収集運搬・保管時の他の廃棄物との分別」や「産廃委託契約でのリチウムイオン電池の有無の明確化」を進める方針を公表しています(2025年10月時点。出典:上記取組資料)。

「他のごみと混ぜない」ことが、今後ますます明確にルール化されていく流れです。

法人が出すリチウムイオン電池は何ゴミになる?——産業廃棄物の原則とリサイクル回収ルート

まず大前提として、事業活動に伴って出た廃棄物は、家庭ごみ(一般廃棄物)ではなく産業廃棄物として処理するのが原則です。

事業所で不要になったバッテリー類を、従業員が自宅の家庭ごみとして持ち帰って捨てる、といった処理はできません。

産業廃棄物の区分の基本は「[産業廃棄物の種類と具体例|20種類](https://www.gate-g.jp/column/18886/)」で解説しています。

一方で、リチウムイオン電池には産業廃棄物としての委託処理以外に、リサイクルを目的とした回収ルートも存在します。

  • メーカー・販売店等による回収:2026年4月からの指定製品追加(モバイルバッテリー・スマートフォン・加熱式たばこ等)を含め、製品ごとに回収の仕組みが整えられています
  • JBRC(小型充電式電池のリサイクル団体)等の回収ルート:小型充電式電池を対象とした回収の仕組みがあります(対象となる電池の種類・状態、事業者の利用条件は各団体の案内で要確認)

つまり、「品目(何のバッテリーか)」と「状態(膨張・破損の有無など)」によって、使えるルートが分かれるのが実情です。

自社の廃棄物がどのルートに乗るのかを確認してから出すことが、適正処理の第一歩になります。

やってはいけない出し方——「混ぜる」「放置する」は火災リスク

リチウムイオン電池の処分で、絶対に避けたいのが次の出し方です。

1. 他の廃棄物への混載

段ボールや廃プラスチック、金属くずなどに紛れ込ませて一緒に出すのは厳禁です。収集・破砕の過程で電池が押しつぶされると発火の原因になり、冒頭のとおり処理施設・収集車両の火災が実際に多発しています。「他の産廃に混ぜてしまえば一緒に運んでもらえる」という考え方は通用しません

2. 膨張・破損したバッテリーの放置

膨らんだバッテリーは内部が不安定になっているおそれがあります。使い続けたり、無造作に積み上げて放置したりせず、速やかに処分の手配を進めてください

3. 雑な保管

金属と接触して端子がショートすると発熱・発火のおそれがあります。
端子部をテープで絶縁する、衝撃・水濡れ・高温(直射日光の当たる場所や車内など)を避ける、といった基本を守りましょう

なお、廃棄物の処理を委託しても、排出事業者としての責任がなくなるわけではありません。

詳しくは「[排出事業者の責任](https://www.gate-g.jp/column/18826/)」をご覧ください。

処分までの実務ステップ——社内での分別・保管から委託まで

法人での実務は、次の3ステップで整理するとスムーズです。

  1. 社内で分別・リスト化する:バッテリー類を他の廃棄物と分け、種類(モバイルバッテリー・電動工具用・機器内蔵など)、数量、膨張・破損の有無を把握します
  2. 保管ルールを決める:端子を絶縁し、金属類と分けて、火気・高温を避けた場所で保管します。担当者と置き場所を決めておくと、たまり続けるのを防げます
  3. 回収ルートを確認して委託する:メーカー・JBRC等のリサイクル回収ルートが使えるか確認し、使えない場合は産業廃棄物として許可業者への委託を検討します。

委託時は、リチウムイオン電池が含まれることを必ず業者へ事前に伝えてください(委託契約でのリチウムイオン電池の有無の明確化は、国も進めている方向性です)

まとめ:バッテリー類の処分は「混ぜず・伝えて・確認してから」

リチウムイオン電池は、混載や放置が火災に直結する一方、品目と状態を確認すれば適正な処分ルートを選べる廃棄物です。

「他のごみと混ぜない」「膨張品は放置しない」「委託先にバッテリーの存在を必ず伝える」の3点をまず徹底しましょう。

GATE株式会社は、関東信越10都県の産業廃棄物収集運搬許可と4拠点体制で、オフィス・店舗・倉庫・工場など事業所の廃棄物全般のご相談を承っています(のべ契約社数8,800社)。

リチウムイオン電池・バッテリー類は品目や状態によって対応可否が異なるため、まずはお問い合わせください。


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