2027年4月から電子マニフェストが変更|再資源化情報の追加項目を解説

「2027年4月から電子マニフェストが変わります」の見出しと、5つのチェックマーク・リサイクルマークを表示したノートパソコンのイラスト。

2027年4月1日から、電子マニフェストで処分業者が報告する情報が増えます。

新たに入力が必須となるのは、処分方法や処分量、処理後に生じた廃棄物・再資源化物の種類と量などをまとめた「再資源化等の情報」です。

今回の変更では、自社で行った処理に加え、委託先での処理も含めて、最終処分または再生に至るまでの状況を報告します。そのため、処分業者は施行前から処理の流れと数量データを整理しておくことが大切です。

この記事では、追加される5項目、報告するタイミング、入力を効率化する方法、各事業者が準備したいことを解説します。

※本記事は、2026年9月16日時点の環境省・JWセンターの公表資料に基づいています。

2027年4月から電子マニフェストの何が変わる?

今回の変更は、2025年4月22日に公布された廃棄物処理法施行規則の改正によるものです。電子マニフェストに関する報告事項の追加は、2027年4月1日に施行されます。

対象となるのは、処分業者が行う次の報告です。

  • 処分終了報告(最終)
  • 最終処分終了報告

2027年3月末までは追加項目の入力は任意ですが、4月からは必須になります。

この変更によって、排出事業者は委託した廃棄物について、再資源化を含む処理状況をより詳しく把握できるようになります。適正処理の確認を強化するとともに、資源循環を促進することが制度の目的です。

出典:JWセンター「電子マニフェストの項目追加」

新たに報告する「再資源化等の情報」は5項目

追加される情報は、次の5項目です。最終処分または再生までの各処分段階について整理します。

追加項目 整理する内容
処分業者の名称と許可番号 各段階の処分を担当する事業者と、その許可情報
処分事業場の名称と所在地 実際に処分を行う施設・事業場の情報
処分方法 破砕、選別、焼却、埋立などの処理方法
処分方法ごとの処分量 それぞれの方法で処理した数量
処理後物の種類と量 処理によって生じた再資源化物や、引き続き処理が必要な廃棄物の種類・数量

「処理後物」には再資源化物と廃棄物の両方が含まれる

処理後物とは、中間処理によって生じる物のことです。再生原料として利用できるようになった物だけでなく、引き続き廃棄物として処理する必要がある物も含まれます。

例えば、廃プラスチックを選別して一部を再生原料にし、残りを別の事業者へ焼却委託する場合を考えてみましょう。

この場合は、再生原料になった部分と、廃棄物として次の処理へ進んだ部分を分けて把握します。自社での処理が終わっていても、残さの処理が続く場合は、その後の工程の情報も必要です。

出典:JWセンター「処分業者向け概要リーフレット」

誰が、いつ報告する?紙マニフェストとの違い

入力するのは処分業者

再資源化等の情報を入力するのは、処分業者です。

自社で最終処分・再生まで完了する場合は「処分終了報告(最終)」、中間処理後の廃棄物を他社へ委託する場合は「最終処分終了報告」の際に入力します。

今回の改正によって、排出事業者と収集運搬業者の入力項目が追加されるわけではありません。

紙マニフェスト自体には適用されない

紙マニフェスト自体には、今回の項目追加は適用されません。

ただし、次のような組合せには注意が必要です。

  • 排出事業者から処分業者への1次マニフェスト:電子
  • 中間処理後の廃棄物について交付する2次マニフェスト:紙

この場合も、1次の電子マニフェストでは、2次以降の処理に関する再資源化等の情報を報告する必要があります。

委託先が紙マニフェストを使用していても、その先の処理情報が報告対象から外れるわけではありません。

JWセンターは、2027年4月1日以降、追加情報が未入力の場合は対象の報告を完了できなくなると案内しています。

出典:JWセンター「項目追加説明会でよくある質問」

処分量や再資源化量は毎回実測する必要がある?

廃棄物をまとめて処理する施設では、マニフェストごとに処理後の数量を実測することが難しい場合もあります。

環境省の通知では、数量は実測することが望ましいとしつつ、実測が困難な場合には、処理実績や帳簿などに基づく比率を使って算出する方法が示されています。

例えば、施設の実績から再資源化率を求め、受け入れた廃棄物の重量に掛ける方法です。

説明用の仮定として、受入重量が1,000kg、実績に基づく再資源化率が70%であれば、再資源化物の量は次のように算出できます。

1,000kg × 70% = 700kg

また、複数のマニフェストの廃棄物をまとめて処理した場合には、実測数量を各マニフェストへ按分する考え方も示されています。

大切なのは、数量の根拠を説明できることです。廃棄物の性状や処理工程を踏まえ、どの期間の実績を使用し、どのように計算したかを整理しておきましょう。

出典:環境省「改正省令の施行について(2025年12月22日通知)」

入力を効率化する「再資源化等の情報パターン」とは

JWNETには、処分方法や処理後物の種類、数量を算出する割合などを、あらかじめまとめて登録する「再資源化等の情報パターン」があります。

日常的に同じ流れで処理する廃棄物についてパターンを用意しておけば、報告時の入力や計算の負担を減らせます。

準備は、次の順序で進めると分かりやすくなります。

1.自社の処理情報を整理する

受け入れる廃棄物の品目、処分方法、処理後物、数量の算出根拠を確認します。

2.委託先の情報を集める

中間処理後の廃棄物を他社へ委託する場合は、委託先と情報を共有し、最終処分・再生までの流れを整理します。

3.JWNETの基本設定を行う

整理した情報をもとに、処分事業場、処分方法、処理後物の種類を設定します。

4.処理の流れに合わせてパターンを作成する

廃棄物の品目や処理ルートに合った割合を設定し、報告時に利用します。

JWセンターは、情報整理に使うExcel形式の「整理表作成ガイド」「整理表ひな形」と、操作を説明する「パターン設定ガイド」を公開しています。

出典:JWセンター「再資源化等の情報パターンの作成」

委託先の割合をそのまま転記しない

委託先から情報を受け取る際は、割合の基準となる重量に注意が必要です。

例えば、自社で受け入れた廃棄物の20%を焼却業者へ委託し、その業者が受入量の100%を焼却する場合、自社の元の受入重量に対する焼却割合は20%です。

委託先の「100%」をそのまま使うと、実際の処理量と合わなくなります。

自社と委託先の整理表をつなぐときは、元の受入重量との関係を確認しましょう。

出典:JWセンター「再資源化等の情報パターン作成準備」

事業者ごとに準備しておきたいこと

今回の変更で直接報告項目が増えるのは処分業者ですが、排出事業者や収集運搬業者も、関係する情報を共有しておくと対応がスムーズになります。

以下は、制度に対応するための実務上の準備例です。

事業者 準備しておきたいこと
処分業者 自社と委託先の処理工程、処理後物、数量の根拠を整理し、入力・確認担当者を決める
収集運搬業者 運搬先との情報共有窓口を確認し、排出事業者からの処理ルートに関する質問へ対応できるようにする
排出事業者 処分業者の準備状況を確認し、報告された情報を社内で確認・活用する担当者を決める

処分業者は取扱量の多い品目から整理する

すべての品目を一度に整理しようとすると、情報収集や確認に時間がかかります。まずは取扱量の多い品目から着手し、不足している情報や確認が必要な委託先を洗い出しましょう。

処理ルートや再資源化率が異なる品目を、ひとつのパターンにまとめすぎないことも大切です。

JWNETの入力の手引きでは、基準重量や処理後物の区分、パターンの作成・見直しの考え方が説明されています。実際の処理内容と照合しながら設定を進めましょう。

出典:JWセンター「再資源化等の情報 入力の手引き」

排出事業者は報告内容を確認・活用する

排出事業者は、JWNETの「再資源化等の情報の照会」から報告内容を確認し、CSV形式で保存できます。

処理完了の確認に加え、どの工程で何に再生されたかを把握することで、分別方法の改善や委託先との相談にも活用できます。

例えば、再資源化しにくい混合状態で排出している場合は、現場での分別方法を処理業者に相談するきっかけになります。

出典:JWセンター「再資源化等の情報 操作マニュアル〈排出事業者向け〉」

2027年4月に向けて、処理情報の整理を始めましょう

今回の電子マニフェストの変更では、最終処分・再生までの各段階について、事業者、処分方法、数量、処理後物を把握することが求められます。

準備の中心となるのは、画面への入力に先立つ情報整理です。

自社で分かる情報と、委託先への確認が必要な情報を分け、数量の算出方法や更新担当者を決めておきましょう。施行前から整理表や情報パターンを準備することで、報告業務を進めやすくなります。

産業廃棄物の回収・運搬をご検討の際は、GATE株式会社へご相談ください。

ご相談時に廃棄物の種類・量・排出場所・希望時期をお知らせいただくと、具体的な確認を進めやすくなります。


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