建築廃材の回収費用はいくら?相場や安く抑えるコツをわかりやすく解説

建築廃材の回収費用

リフォームや解体工事、DIYなどで生じる建築廃材の処分方法に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

業者が施工する工事で発生した建築廃材は「産業廃棄物」として扱われ、法律にのっとった適正処理と費用負担が必要です。

本記事では、建築廃材の回収費用の相場や内訳、混合廃棄物になりやすい廃材を分別して費用を抑えるコツについて解説します。廃棄物処理法に沿った許可業者の選び方も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

建築廃材の回収費用の相場と内訳

建築廃材の回収にかかる費用は、廃材の種類・量・状態などによって大きく変わります。決まった一律料金があるわけではなく、複数の要素が組み合わさって最終的な金額が決まる仕組みです。

まずは費用の全体像と、その内訳について把握しておきましょう。

回収費用は大きく分けて「収集運搬費」と「処分費」

収集運搬費とは、現場から中間処理施設や最終処分場まで廃材を運ぶ際にかかる費用のことです。使用するトラックの大きさや運搬距離、廃材の量に応じて金額が変動します。

処分費は、運び込まれた廃材を破砕・焼却・選別・埋め立てなどの方法で処理するためにかかる費用です。廃材の種類によって処理方法が異なり、リサイクルしやすい素材は比較的安価に、有害物質を含むものや混合廃棄物は高くなる傾向があります。

これらに加えて、現場の状況によっては「積込作業費」「人件費」「養生費」などが上乗せされるケースもあります。とくにマンションの高層階や搬出経路が狭い現場では、積込作業に時間を要するため、別途料金が加算されるのが一般的です。

品目別の処分費の目安

建築廃材の回収費用に全国一律の公定相場はなく、廃材の種類、分別状態、搬出条件、運搬距離、地域の処理単価によって大きく変動します。本文中の金額はあくまで参考目安として捉え、実際には複数社から見積もりを取り比較することが重要です。

  • 木くず:
    1立方メートルあたり5,000円〜15,000円程度。チップ化してリサイクルされるケースが多いです。
  • がれき類(コンクリート・レンガ・アスファルトなど):
    1立方メートルあたり5,000円〜12,000円程度。破砕して再生砕石として利用されます。
  • 廃プラスチック類:
    1立方メートルあたり15,000円〜30,000円程度。種類ごとに処理方法が違い、比較的高額です。
  • ガラス・陶磁器くず:
    1立方メートルあたり10,000円〜20,000円程度。破砕処理が必要です。
  • 石膏ボード:
    1立方メートルあたり10,000円〜20,000円程度。硫化水素が発生するリスクがあるため、専用処理が求められます。

一方で、鉄・銅・アルミなどの金属くずは有価物として買取の対象となる場合があり、処分費が不要であるばかりか売却益が出ることもあります。解体現場で発生する鉄筋やアルミサッシなどは、分別して回収業者に引き渡すことで全体の費用を抑えられます。

トラック一台や立方メートルあたりの算出基準

回収費用は、トラックのチャーター単位で計算される場合と、廃材の体積(立方メートル)や重量(kg)単位で計算される場合があります。

トラックチャーターでの一般的な相場は次の通りです。

  • 2tトラック:
    30,000円〜60,000円程度(積載量約2立方メートル)
  • 4tトラック:
    60,000円〜100,000円程度(積載量約4〜5立方メートル)

この金額には収集運搬費が含まれることが多く、処分費は別途加算されるパターンと、込みで提示されるパターンがあります。

体積単価で算出する場合、混合状態の建設廃棄物では1立方メートルあたり20,000円〜40,000円程度が一般的な相場です。都市部は処理施設までの距離や人件費の影響で割高になりやすく、地方では比較的安く収まる傾向があります。

建築廃材の種類と費用の決まり方

建築廃材の処分費用は、その廃材が法律上どう分類されるかによって大きく変動します。廃棄物処理法による分類と、処理工程が費用にどう影響するかを押さえておきましょう。

建築廃材の多くは産業廃棄物に分類される

建設工事や解体工事で生じる廃材の多くは産業廃棄物に該当しますが、法令上の分類は品目ごとに異なります。たとえば、木くず・紙くず・繊維くずは建設工事に伴って生じたものに限って産業廃棄物となり、廃プラスチック類・金属くず・ガラスくず等はあらゆる事業活動由来で産業廃棄物となります。

産業廃棄物は、排出事業者(工事を請け負った業者)が責任をもって適正に処理する義務を負い、許可を取得した専門業者へ委託しなければなりません。マニフェスト(産業廃棄物管理票)の発行や委託契約書の締結など、法的な手続きも必要です。

一方で、個人がDIYで自宅から出した廃材は、原則として「一般廃棄物」として扱われます。一般廃棄物の処理責任は市区町村が担うため、自治体のルールに従って粗大ごみとして排出するか、自治体指定の処理施設へ持ち込むのが基本です。ただし、自治体ごとに受け入れ品目や量に制限があるため、事前に確認しておきましょう。

なお、個人発注のリフォーム工事であっても、業者が施工して出た廃材は産業廃棄物として取り扱われる点に注意が必要です。

混合廃棄物は費用が高くなりやすい

建築現場では、木くず・廃プラスチック・金属・ガラスなど、複数の素材が同時に発生します。これらが分別されないまま混在した状態のものを「建設混合廃棄物」と呼びます。

建設混合廃棄物は、中間処理施設で手選別や機械選別による分別工程を経る必要があります。作業員の人件費や選別機械の稼働コストが発生するため、単一品目と比べて処分単価が大幅に高くなります。混合廃棄物の処分費は1立方メートルあたり25,000円〜50,000円程度になることもあり、単一品目の2倍以上になるケースも珍しくありません。

さらに、選別後にリサイクルできないものは焼却処理や埋立処分へ回されるため、リサイクル率も下がります。費用面でも環境面でも、現場での事前分別が重要なポイントとなります。

建築廃材の回収費用を安く抑えるポイント

法令を守った適正処理の枠組みのなかでも、工夫次第で費用を抑えることは十分に可能です。ここでは、実践しやすい2つのポイントを紹介します。

処分する前に徹底して分別を行う

費用を抑えるうえで最も効果的なのが、現場での事前分別の徹底です。

木くず、金属くず、がれき類、廃プラスチック類などを品目ごとに分けて排出すれば、建設混合廃棄物として扱われるのを回避できます。前述したように、混合廃棄物は単一品目に比べて処分単価が大幅に高くなる傾向があり、分別を徹底することで、混合廃棄物として一括処理する場合より処分費を抑えやすくなることがあります。

特に金属くずは有価物として買取の対象になる可能性があるので、鉄筋やアルミサッシ、配線などは別途まとめておくと良いでしょう。コンクリートがらや木材も、単一品目として排出すれば再生資源として比較的安価に処理されます。

分別には手間がかかりますが、人件費を加味しても、混合廃棄物として一括処分するより総コストを抑えられるケースが多いです。工事の計画段階から分別スペースを確保し、職人や作業員に分別ルールを周知しておくことが大切です。ただし、分別が細かくなるほど運搬や保管の手間が増え、必ずしも一律にコスト削減につながるとは限らないため、現場条件に応じた設計が重要です。

複数の業者から相見積もりを取る

建築廃材の回収費用は業者ごとに差があるため、必ず複数社から相見積もりを取って比較しましょう。

費用に差が出る主な要因は、次の2点です。

  • 収集運搬費は処理施設までの距離で変動する:
    業者が提携している中間処理施設や最終処分場の場所によって運搬コストが変わります。現場に近い施設を利用できる業者ほど運搬費を抑えやすくなります。
  • 処分費は業者の保有設備で変動する:
    自社で中間処理施設を保有する業者は、外部委託する業者よりも処分費を安く設定できる傾向があります。

最低でも2〜3社から見積もりを取り、料金体系や内訳、対応品目を比較することで、適正相場を把握できます。極端に安い業者は不法投棄などのリスクをはらむため、価格だけで判断せず、許可の有無や対応の丁寧さもあわせて確認しましょう。

また、見積もり時には現場の状況や廃材の種類・量をできるだけ詳しく伝えることで、追加料金の発生を防ぎやすくなります。

法令を遵守した信頼できる業者の選び方

建築廃材の処理を業者に委託する際、最も気を付けるべきは「適法な業者を選ぶ」ことです。安さだけで選んだ業者が不法投棄を行った場合、排出事業者にも責任が及ぶおそれがあります。

自治体の許可業者であることを確認する

産業廃棄物にあたる建築廃材の回収を委託するには、「産業廃棄物収集運搬業許可」を取得している業者であることが条件です。この許可は、廃棄物を運搬する区域を管轄する都道府県知事または政令市長から交付されます。

許可を持たない業者に委託すると、廃棄物処理法違反となり、排出事業者も罰則の対象となる可能性があります。委託前には必ず許可証の写しを確認し、有効期限や許可品目もチェックしましょう。

なお、個人がDIYで出した一般廃棄物の回収を依頼する場合は、市区町村の「一般廃棄物収集運搬業許可」を持つ業者に依頼する必要があります。「不用品回収」と称して営業している無許可業者も存在するため、注意が必要です。チラシやインターネット広告で安さを強調している業者のなかには、無許可で営業している例もあるため、必ず許可情報を確認しましょう。

委託契約書の締結とマニフェストの発行

産業廃棄物の排出事業者には、廃棄物処理法によって次の2つが義務付けられています。

  1. 処理委託契約書の締結:
    収集運搬業者および処分業者と、書面による契約を事前に締結することが必要です。契約書には、委託する廃棄物の種類・数量、処理方法、料金、許可番号などを記載する決まりになっています。口約束や見積書だけで委託することは法律違反です。
  2. マニフェスト(産業廃棄物管理票)の交付:
    廃棄物を引き渡す際に排出事業者がマニフェストを発行し、運搬・処分の各段階で適正に処理されたことを確認する仕組みです。マニフェストには紙伝票と電子マニフェストの2種類があり、近年は電子マニフェストの利用が推奨されています。

こうした手続きを省こうとする業者は、適正処理を行わない可能性が高いため避けたほうが無難です。反対に、契約書やマニフェストについてしっかり説明してくれる業者は、信頼性を見極める一つの目安となります。

まとめ

建築廃材の回収費用は、収集運搬費と処分費を基本としつつ、品目や量、混合状態によって大きく変動します。木くずやがれき類などの単一品目に比べて、混合廃棄物は処分単価が高くなりやすいため、現場での事前分別が費用を抑える最大のポイントとなります。あわせて、複数の業者から相見積もりを取って適正相場を把握することも欠かせません。

また、産業廃棄物に該当する建築廃材は、必ず都道府県または政令市長等の許可を受けた業者に委託し、委託契約書の締結とマニフェストの発行を行う必要があります。不法投棄などのトラブルを防ぎ、環境にも配慮した適正処分を実現するためにも、法令遵守を徹底した信頼できる業者を選びましょう。

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